イマージョン教育とは
 イマージョン教育とは「Immersion」という英単語から名付けられました。辞書からは「浸す、投入される」等と訳されます。私たちが「イマージョン教育」と言うとき、そこには児童・生徒に英語のシャワーをあびせ、英語運用能力の向上を測ろうと言う願いが込められています。「イマージョン教育」は、広義にはシンガポール日本人学校で行われている英語教育全体を特徴づける言葉として使われており、「英会話」「英文法」「イマージョン・プログラム」を総称した呼び方となっています。また狭義に「イマージョンプログラム」と呼ぶときは「音楽」「図工」「体育(水泳)」などの各教科を英語を用いて学習するプログラムをさしています。イマージョン教育の重要な目的は母語の能力や教科学習と両立して外国語(英語)の力をつけることにあります。
イマージョン教育の歴史
 シンガポール日本人学校で、最初にイマージョン教育を取り入れたのは中学部です。1995(平成7)年からイマージョン教育を取り入れました。体育科から始まり、美術・家庭科と広がりました。クレメンティ校では1998(平成10)年から取り入れられ、1・2年生の音楽から実施し、年々対象学年とともに、体育(水泳)、図工へ教科も広がりました。
導入の目的
 今後ますますグローバル化する21世紀を生きる子どもたちに求められることは、日本人としてのアイデンティティを保ちながら、コミュニケーションの手段の一つとしての英語力をつけることです。英語を使って自分の思いや考えを表現したり、相手の考えや思いを理解したりできる力を強化する必要があります。また、英語を公用語のひとつとするシンガポールで、英語への興味を持つことは地域社会に対する関心を高め、地域を理解することにつながっていくと考えています。
 教科の指導は全て文部科学省の学習指導要領に沿って行われ、教科学習の目標達成をめざしています。子どもたちが日本に帰国した場合も、日本の教育内容にスムーズに適応できるよう配慮しています。
成果と課題
 本校の子どもたちの大半は、数年で日本へ帰国します。卒業生からは、帰国後自信をもって英語を使うことができたという声が聞こえてきます。また、4・5・6年生へのアンケート結果(2006年度に実施)によると、約70%から90%の子どもたちが「英語を聞くことに自信がついた」「英語で話しかけられるようになった」「英語の先生の話が理解できるようになってきた」と肯定的な評価をしています。それを反映し、校内では英会話教師に自然に話しかける子の姿や、学校交流では臆せず英語を使ってコミュニケーションをとる子の姿がみらます。
 日本の学習指導要領にあわせ、英語で指導をするにはいくつかの問題が出てきます。イマージョンの担当教師にその成否がゆだねられる部分もあります。在外にある本校の特色を生かした指導内容を常に検討していくとともに、子どもたちの実態に合った指導法を探していく作業も必要になります。イマージョン教育は継続することによりその効果が表れます。小学校の限られた期間であっても英語に対しての感覚は潜在化すると考えられます。本校に在籍した子どもたちが、その後英語力をどのように保持していくか追跡調査を行うことも必要だと考えています。

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