本校へ編入や入学を考えている皆さん、こんにちは、校長の田村洋幸です。

お父さんあるいはお母さんのお仕事で海外転勤になり、シンガポール赴任になる方がほとんどだと思います。初めての海外生活の人もいれば、他国からの異動になる人もいると思います。もちろん、シンガポール日本人学校の小学部から上がってくる人もかなりの人数がいるでしょう。

ここでは本校の紹介をいたします。主に海外での生活が初めてで、日本とは全く違う学校環境に不安を感じている、またはどの学校に編入しようか迷っているなどという状況であれば、ぜひ参考にしてください。

また保護者の皆さんは、ぜひお子さんと一緒になって、この紹介を読み進めてください。お父さんやお母さんと一緒にシンガポールでの生活を考えれば、お子さんの不安もどんどん小さくなってくると思います。スムーズな海外生活を始めるために、ぜひ本校の特色や取り組みを知っていただきたいと思います。

では、先に「シンガポール日本人学校中学部の特長」を紹介します。

▼本校は高校進学・日本の学校への編入に強い
▼英語にも強い
▼海外にありながら「日本文化もしっかり身に付く」

この3点です。
でもその前に、基本理念のお話を少しします。

1.本校の基本理念

学校には進むべき方向があります。そしてその進むべき方向を、言葉にして、そして実行していくのが校長以下、教員全員となります。

シンガポール日本人学校中学部は「人に優しさ 自分に強さ」を合言葉に、「人としての豊かさ、賢さ、強さを持ち、国際社会の中で自己を自覚し、自分の役割を果たそうとする生徒」を育てることを理念としています。

「人に優しさ 自分に強さ」、これは、中学部で一番大切にしている言葉なので、もう一度書きました。

ちょっと難しいかもしれませんが、今の自分に置き換えてみてください。

「人としての豊かさや賢さ」は、学校生活全て、特に行事や部活や課外活動で、人とのコミュニケーションを通じて、いろんな経験をすると身に付いてきます。自分の意思を伝えるのは一筋縄では行かないけれど、いろんな経験を持っていると、いろんな切り口で自分の思いを伝えることもできます。人は人と支え合って、初めて人として生きていると言えます。

「強さ」は、学校生活や様々な行事の中で、自分を律し、自分を高めることから身に付きます。なりたい自分、ありたい自分に近づくことです。テストで良い点を取ったり、悪い点を取ってしまったりして、成功と挫折を繰り返す場面でも培われます。もちろんテスト以外でも自分の強さを鍛練する場面はたくさんあります。

こうした資質を身に付け、国際社会に出ても何ものにも動じずに、自分の役割を果たす人が育って欲しい、というのが本校の理念です。

日本の中学校では経験できないことが、この学校にはたくさんあります。そしてこの学校に通学して、転出あるいは卒業して、「あぁ、そういえば学校の理念『人に優しさ 自分に強さ』は、こういうことだったのかぁ」と想いを馳せる時がきっとやってきます。

その時は、ぜひお父さんお母さんに想いを伝えてください。仕事の都合で海外に連れていってしまい申し訳なかった、と少なからず親は思うものです。自分の子どもから「あの時は不安だったけど、良い経験をたくさんしたよ」と言ってもらえたら、心の中でそっと喜んでくれますから……。

2.転入・転出による学校への接続がスムーズ

海外の日本人学校は、どうしても転入・転出が多いものです。そうなると、不安になることがだいたい2つだと思います。
ひとつは友達とうまくやっていけるか?
もうひとつは勉強についていけるか?

本学は小学部も含めて、転入・転出が多い学校です。それに日本全国、世界各国から友達がやってきます。ですから、みんなが転校生なのです。転出入の辛さや不安を知っているからが故、すぐに受入れてくれますから、友達の心配はほとんどありません。

さて、もうひとつの不安は勉強です。

本校の教育全ては、日本の学習指導要領に準じています。

ということは、日本での学習環境・内容はそのままです。日本から転校してきて、すぐに授業にキャッチアップすることができます。逆に、あなたの勉強の方が進んでいることもあるかもしれません。

本校の授業は、「よく分かる授業・できる授業」を目指しています。先生方の多くは、iPadやパソコンを駆使して、プロジェクターを使って、授業を行っています。目で確認することはとっても大切ですからね。先生方も見せ方をどんどん工夫して、分かりやすい授業を作り上げています。

問題練習や演習課題に取り組むだけではなくて、課題解決のための考える授業もあります。答えを追求する授業と、正解はないけど自分が正解だと思うことを伝える授業、この2つをバランスよく実施しています。

他にも、「朝学習」や「朝読書」もあって、これがなんと、日本語に触れる機会になり語彙を増やしたり、日本語の情感たっぷりな表現を身に付けたりすることに役立っているんです。

日本で、あるいは海外の日本人学校で勉強してきたことは、引き続き本校でも勉強していきますから、転入時の学習に対する不安はほとんどありません。

3.高校への進学が多岐にわたる

本校の生徒の進学先ですが、多岐にわたっていますし、日本のトップクラスの学校への進学もとても多いです。

シンガポールにある早稲田渋谷シンガポール校へは、毎年50名ほどが本校から進学し、その後は早稲田大学や国公立や有名私立大学へ進学します。

本校を卒業すると同時に帰国する生徒は、帰国子女枠を設定している多くの高校へ進学したり、開成高校、慶応義塾高校や筑波大学付属駒場高校などの有名な高校へ合格・進学したりします。日本の高校への進学は、全く問題がありません。

本校のいわゆる内申書は、日本の中学と同等に扱われているので、海外だから不利だということは全くありません。むしろ、日本標準の学習にプラスした海外ならではの学習や経験が進学に有利に働くのでは?と思っています。

中学時代は、どうしても高校進学と切り離して考えることはできませんが、ぜひ本校でのびのびと楽しい学校生活を過ごしてください。そして、目指す目標に向かって邁進してください。みんな頑張っていますし、そのお手伝いは、先生方が親身になり最大限していきます。

4.英語教育は圧倒的な実力がつく環境が待っている

本校の特徴として、英語教育の充実があります。

とはいえ、最初に言っておきますが、本校は日本人学校ですから、インターナショナル校みたいに授業を全て英語で行うわけではありません。基本的に日本語で勉強するので、入学すれば、英語がペラペラになってしまう、という学校ではありませんので、その点をしっかり踏まえてくださいね。逆に、日本語だから授業がよく分かりますから。

本校は、英語の授業を習熟度に応じた少人数のコース別編成で実施しています。日本の多くの中学校では、クラス単位ですから、どうしても凄く得意な生徒と全く苦手な生徒が一緒になります。そうなると、どんなレベルでどんな授業をするのか?というのが、大きな問題となってきます。

得意な生徒にとっては、「もっともっと勉強したい。でも、なかなか授業が進まない」と思うかも知れません。できない生徒にとっては、「分からないのに授業がどんどん進んでしまう」ということもあるでしょう。お互い、良いことありません。ですから、本校はできるだけレベルを合わせて、1学級を3つのコースに分けて授業をしています。人数も10人から15人の少人数です。どんどん英語が身に付くと思います。

実はもうひとつ、大きな英語教育があります。それはイマージョン教育です。

初めて聞く名前でしょうか、イマージョン教育ってなんでしょう?

イマージョン教育とは、教科を日本語だけではなくて英語を使って勉強しましょう、という教育方法のことを言います。英語の授業とは違うものです。

本校は、美術、音楽、家庭科、体育をイマージョン教育として実施しています。外国人の先生が英語で指導をして、日本人の先生がサポートします。外国人の先生が、実技を説明します。外国人の先生の英語は分かりやすく、基礎的な英語ができ慣れてくれば、聞き取ることは十分にできます。英語の授業は文法や単語を勉強しますが、イマージョンは本来日本語で勉強するものを、英語を使って学習するものです。

ですから、英語の教科書には出てこない単語や言い回しが勉強できるし、日本語で「ニンジンをみじん切りして、大さじ一杯の油で先に炒める」と言うところを、外国人の先生が英語で言ってくれますから、活きた英語が身に付きます。

心配はいりません。日本人の先生も、その場に居ますから、いつでも日本語でサポートを受けられます(慣れるので、言葉のサポートは直ぐに不用になりますが……)。

どうですか?英語が嫌いになるのは主にテストの点数があるからでしょ?本校では、文法とか点数とかではない活きた英語・使う英語が身に付きます。また校内には8人もの外国人の先生が常に居るのですから、挨拶からちょっとした会話、そして部活まで、常に触れ合う時間があります。

なにより、外国人の先生から、毎日のように英語でいろいろな授業を受けることができる、このような環境の学校は、日本国内にはほとんどないでしょう。海外にあってイマージョンを実施している学校だからこそ、このような環境が整っています。

もし英語が嫌い、ということだったら、ぜひ本校で英語が好きになってみませんか?本校の多くの生徒は、英語が好きになった、英語が得意になったという自信を深めて、転出や卒業していきます。また、本校内にいると実感しにくいのですが、日本に戻れば英語ができる自分になっていることに気がつきます。

5.日本人の感性や文化理解も同時に培われる

本校は日本人学校です。ですから当然日本に近い生活様式で、日本の感覚で生活し、日本語で勉強します。

でもですね、ここで「当然だよね、それ」と思わないでください。

海外に出ると、日本の良さを自覚します。しかし、それは日本の文化に根ざした教育があってこそなんです。例えば、靴を揃えること、列を乱さないこと、人が多い場所では大声で話をしないこと、車内では携帯で話さないこと……。このような、ルールやマナーといったことさえ日本の感覚と海外での感覚の大きな差を感じます。

英語のみを追求すれば、インターナショナル校に進学するのが一番近道かもしれません。でも、四季や広範にわたる地域に根ざした日本の行事や文化、日本語の美しく情感的な言葉遣い、相手の立場を理解して物事を考え行動していくという日本固有の優れた文化は、インターナショナル校では身に付きません。そして、今ここでその感性を身に付けなかったら、失ってしまったら、二度と本当の意味で日本人としての感性を身に付けることができないかもしれません。

日本ってなんだろう?日本人ってなんだろう?自分はどうして日本人と言えるのだろう?海外で生活をしていると、そんなことを本当に感じることがあるのです。そして、その日本人としての基礎の一部が、学校生活で培われていると感じるのです。

本校は日本の文化や日本人の感性をしっかりと継承し、日本人としてのアイデンティティ確立に力を注ぎ、真の国際的な人材の育成をしていきます。

もしかすると、いや多分、学校にいる時は分からないことかもしれません。自分が卒業して、そして高校、大学へと進学し、社会に出た時に、シンガポール日本人学校で日本人として学んだことや経験が、きっと大きく役に立つ時がきます。そしてその時に、「あぁ、校長や先生が言っていたことって、こういうことだったんだな」と分ってもらえたら嬉しく思います。

不安はあるけど、まずは思い切ってみる。

本校は、みんなが生き生きと一生懸命生活する学校です。「人に優しさ 自分に強さ」そんなことが実現できる学校です。ですから、不安はあれど、安心して飛び込んできてください。

勉強もしっかりやる、行事にも精一杯取り組む、そして友達ともしっかり遊び思い出を作る、将来にわたる財産をここで作っていって欲しいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。教職員一同、あなたが笑顔で登校してくるのを心より期待しています。

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